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株式会社 日立ソリューションズ・テクノロジー

Engineer Cross Talk 技術者として チーム力で課題解決を

Engineer Cross Talk 技術者として チーム力で課題解決を

日立ソリューションズ・テクノロジーでは、案件を進める際、社内プロジェクト制を採用しています。プロジェクトマネジャーがメンバーを率いて、チーム力でソリューション提供に力を尽くします。この3名のエンジニアは、現在進行中の「工事現場の事故予防カメラAIシステムの開発プロジェクト」のメンバー。それぞれがどのようにして課題に向き合い取り組んでいるのか。また、チームで仕事をすることの魅力についても語り合いました。

  • 石田 舞
    Ishida Mai

    2020年入社
    デジタルソリューション事業部
    DXソリューション本部
    画像AIソリューション設計部
    理工学部社会工学科 卒

  • プロジェクトマネジャー
    小野 司
    Ono Tsukasa

    1999年入社
    デジタルソリューション事業部
    DXソリューション本部
    画像AIソリューション設計部
    工学部機能材料工学科 卒

  • 本田 将吾
    Honda Shogo

    2019年入社
    デジタルソリューション事業部
    DXソリューション本部
    画像AIソリューション設計部
    工学部情報工学科 卒

  • 石田 舞
    Ishida Mai

    2020年入社
    システムソリューション事業部
    第1ソリューション本部
    第2組込ソリューション設計部
    理工学部社会工学科 卒

  • プロジェクトマネジャー
    小野 司
    Ono Tsukasa

    1999年入社
    システムソリューション事業部
    第1ソリューション本部
    第2組込ソリューション設計部/主任技師
    工学部機能材料工学科 卒

  • 本田 将吾
    Honda Shogo

    2019年入社
    システムソリューション事業部
    第1ソリューション本部
    第2組込ソリューション設計部
    工学部情報工学科 卒

Project 「工事現場の事故予防
カメラAIシステムの
開発プロジェクト」

工事現場において、人と建機が接触する事故がたびたび発生していたことから、それを予防するためのシステムを開発してほしいと大手建設会社が当社に依頼。そこで、プロジェクトチームを立ち上げ、画像認識技術を使った危険を警告するシステムを開発することに。目下、プロジェクトが進行中。

Cross Talk 01 システムの力で
人の命を守るために

小 野
今私たちが進めている案件は、当社の画像認識製品を展示会でご覧になった大手建設業者の方から依頼されたもので、プロジェクトがスタートしたのは2018年。工事現場で人と建機が接触する事故がたびたび発生していたので、それを予防するために、画像認識技術を使って危険を警告するシステムをつくってもらえないかといわれたんだ。
本 田
私たちが入社する前から始まっていたプロジェクトですよね。
小 野
そう。当時、お客さまはソナーによって危険を知らせるシステムを試験的に導入していたけど、人以外のモノにも反応してしまうため、過剰に警告音が鳴り響き、あまり効果的ではなかったらしい。そこで当社に依頼が来て、目下、実用化に向けての実証実験が進んでいるところ。当初は3名でスタートしたけれど、19年12月に本田さん、20年10月に石田さんに加わってもらった。
本 田
このプロジェクトでは、人と建機を接近監視することで事故予防を行っていますが、接近監視を行うにあたり、AIを使っています。具体的には、ディープラーニングを活用し、エッジコンピュータ上で入力画像から人や建機を検出しているのですが、もともと大学でAIについて研究していたので、興味のあるプロジェクトでしたね。検出率の精度を上げることが、このプロジェクトにおける最大の課題ですが、そのためにどうすべきか。対策を立てて、それに基づきAIに学習させるのが私の役割です。
小 野
いかに検出精度を向上させるかは最重要課題。このシステムにおいて、検出対象でないものを誤って検出したり、逆に検出すべき対象を見逃したりすると、現場での業務に支障を来すだけでなく、人命に関わる事故を予防できなくなってしまう。そのため、未知なことも多いAIやディープラーニングに対し、あらゆる情報を取捨選択しながら、検出精度を向上させるための方法を見つけ出していかなくてはならない。これがこのプロジェクトにおける難所のひとつだね。
石 田
そうですね。私はまさにその精度向上のフェーズでこのプロジェクトに関わりましたが、情報量が膨大なこともあり、思うように精度が上がらず苦労しています(苦笑)。そうしたときに大事なことは、今起きている状況をきちんと整理して、仮説を立てて実行していくこと。チームの皆さんと話し合って方向性を決め、社内のツールやノウハウを生かしながら取り組んでいます。
小 野
そうだね。当初、検出対象がカメラから離れてしまうと、入力画像では対象が小さく映ってしまい、検出が難しくなるという課題があった。そこで、小さく映るものの解像度の低さが、検出時に行う特徴量(特徴が数値化されたもの)の照合を妨げているのではないかという仮説を立てて、検出を2段階で行った。まず、入力画像に対し検出を行い、その次に入力画像内の、小さく映る部分について解像度が落ちないようにクロップ・拡大し、再度検出を行う。これにより、入力画像に小さく映るものの解像度が上がり、検出精度が以前よりも向上した。
石 田
はい。でも、それだけでは人でないものも検出してしまう可能性があります。間違えてしまったものに対して、「これは人ではなく、物体だよ」とAIに学習させたり、人を人とたらしめているものは何かを分析して学習に組み込んでいったりといったことも必要です。
本 田
そう、そのとおり。検出精度をさらに向上させる手法のひとつとして、AIに学習させる教師データの追加がありますが、ブラックボックス化しているディープラーニングに対し、人間が検出精度向上に効果的な追加データを選定していくのには限界があります。そこで私たちが活用したのが自社ツール。AIが対象のどの部分を特徴量(特徴が数値化されたもの)として認識しているかを可視化するもので、これを使って解析結果の分析を重ねたところ、最終的に検出精度がより向上し、実用化に向けて一歩前進しました。

Cross Talk 02 チームだからこそ
できることがある

本 田
私の場合、AIに学習させるプログラミングのほか、システムの操作性に関しても担当していますが、どんな画面構成や初期設定がよいのか検討していくのもなかなか大変。実際に使うのは工事現場の作業員の方ですから、使いやすさが一番。それゆえ、お客さまの研究施設のひとつ、現場をシミュレートした試験場に行って検証できたのは役に立ちましたね。現場を見ることで、「こういったものがあったほうがいい」「このやり方では使いづらい」ということがよくわかりましたから。
小 野
私のモットーは、若手であれ、ベテランであれ、プロジェクトのメンバーには常にお客さまとの打ち合わせに参加し、実際に経験してもらう。というのも、自分たちのつくっているものがお客さまにどう使われるのか。あるいは、どんなことに困っているのか理解しなければ、お客さまに満足していただけるものはつくれないから。だからこそ二人には、プロジェクトの背景と目的を必ずとらえた上で作業してもらいたい。
本 田
はい、背景や目的を知るというのは大事だと実感しています。プログラミングって、仕様書があればパッとつくれるんですが(笑)、正直言って、仕事のやりがいはあまり感じられません。でも、自分の手がけたシステムが実際に動いて、危険を察知してランプが光り、事故を未然に防げたことを目の当たりにしたら、きっと仕事のやりがいや醍醐味を感じると思う。自分は大きなシステムの中のひとつの機能を担当しているにすぎないけれど、そのシステムが何に使われるのかを知っておくことは、システムの品質を上げる上でも大きな意味をもつと思いますね。
石 田
私もそう思います。私一人の力で作業員の命を守ることは絶対できませんが、それぞれ特性をもったメンバーが集まり、システムをつくりあげることで、命を救えることができる。それはすごいことだと思います。プロジェクトの背景や目的を知って取り組むからこそそう思えるし、自分たちの仕事が社会に役立っているのだと実感できます。
本 田
そうそう、チームで仕事を進めていると、いろんな考え方を知ることができ気づきも多い。
石 田
私一人の観点だと、どうしても漏れがあったり、考えなくてはならないものが抜けたりしがち。そんなときに先輩社員や上長からアドバイスされると気づきがある。結果的にシステムの品質向上につながるんですよね。
小 野
チームの話になったけど、私がプロジェクトのメンバーをアサインするときは、「この人ならできる!」と私自身が確信し、その人も「やりたい!」と思い、双方の思いがマッチしたとき。だから、1年目や2年目でも、やる気を尊重してどんどん高いミッションを与えています。例えば、本田さんは社内外を問わずコミュニケーション能力が高いから、そこを伸ばして、リーダー格としてメンバーを束ねられるようになってもらいたい。石田さんは情報収集力・整理能力が抜群だから、そこを生かして、チームの中で問題提起や改善提案できるような役割になってほしい。そうした期待やミッションに対して、もし足りないところがあればきちんとアドバイスする。それが私の考え方であり、日立ソリューションズ・テクノロジーの人財育成といえるかな。
石 田
確かに「こういうことをやってみたい」といったことをオープンに伝えられる環境が当社にはあると思います。例えば、出張の行き帰りなどに上長がなにげなく聞いてくれるので、興味のある分野や希望する仕事について伝えやすいですね。
本 田
そして、のびのびと仕事をさせてくれる環境も。とにかくウチのチームは明るい(笑)。やるときはやるけど、休むときは休む。メリハリがあって、人間関係もいいから、仕事もやりやすい。たとえミスがあっても、頭ごなしに注意されるのではなく、「ここがこうだから、こうしたらいいんじゃないか?」という伝え方。厳しさはあるけれど、自分のためになる厳しさだと思いますね。
小 野
それぞれの強みを伸ばしながら、お互いをチームとして補完し合い、お客さまのために社会のために貢献していく。これを一言で表すなら、「日立ソリューションズ・テクノロジーで1番キラキラ&ギラギラしたチームとして、上下一心で頑張りましょう!」。長年、私が掲げているメッセージだけど、この考え方を二人が引き継いで、若い世代に継承してくれたなら、リーダー冥利につきますね(笑)。

Message 技術者をめざす
学生の皆さんへ

石 田
日立ソリューションズ・テクノロジーは、頑張りたいと思う人に頑張らせてくれる会社。「こんなことをやってみたい」という思いがある人には最適な環境です。入社されたら、ぜひ一緒に働きましょう。
小 野
やりたいことや頑張りたいことが比較的明確になっている人には、実に働きがいのある会社。自分たちが生き生きと胸を張って仕事ができる環境があり、頼りになる先輩や上司がいます。一緒にキラキラ&ギラギラしていきましょう。
本 田
技術の力で何かを成し遂げたい! そんな熱い思いを抱いている人にはぴったりの会社だと思います!

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