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戸田建設の「人物検知システム」に「画像認識エッジソリューション」が採用され、建設現場での安全性向上に貢献

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2021年4月26日
株式会社日立ソリューションズ・テクノロジー

戸田建設の「人物検知システム」に「画像認識エッジソリューション」が採用され
建設現場での安全性向上に貢献

建設現場の接触災害を防ぐ安心安全な環境を構築

株式会社日立ソリューションズ・テクノロジー(本社:東京都立川市、取締役社長:森山 隆志/以下、日立ソリューションズ・テクノロジー)の「画像認識エッジソリューション」が、戸田建設株式会社(代表取締役社長:大谷 清介/以下、戸田建設)の「遠赤外線カメラを用いた人物検知システム(以下、本システム)」に採用されました。

本システムは、夜間やトンネル坑内などの光源のない薄暗い環境下、また通信環境が整っていない現場でもリアルタイムに高精度に作業員を検出し、カメラと作業員の距離に応じてアラームを出すことができます。これにより、可視光カメラでは検知が困難であった建設現場においても建設機械と作業員の接触災害の防止を実現し、作業員の安全を守ることができるようになります。

背景と課題

建設現場において、「建設機械と作業員の接触災害」の防止は重要な課題であり、ICTを活用した自動化技術やAIを活用した高精度なセンシング技術による高度な安全対策が必要だと考えられています。戸田建設では人物検知においてさまざまなセンサを利用していましたが、薄暗い場所や粉じんのある環境での検出精度の低下や、遠距離の人物検出ができないなどの課題があり、以下を満たす新しいシステムが求められていました。

  1. 夜間やトンネル坑内などの光源のない薄暗い場所での高精度な人物検出(精度:90%以上)
  2. 検出距離が10m以上(測定誤差:5%以下)
  3. 通信環境がない空間でもリアルタイムに動作するシステム

日立ソリューションズ・テクノロジーは、本システム(図1)の開発検討段階から参画し、これらの課題を解決したため、「画像認識エッジソリューション」が本システムに採用されました。

採用に至る開発支援内容と本システムの効果

  • 1.遠赤外線カメラとAIによる高精度な人物検出と測距

    光源のない夜間や薄暗い環境下でも人物が検出できるセンサを戸田建設とともに検討を進め、熱を検知できる遠赤外線カメラを採用することにしました。トンネル工事で撮影した画像と当社独自のディープニューラルネットワーク(DNN)技術を用いることで97%以上の精度で人物を検知でき、人物までの距離を高精度(測定距離10mに対して1%程度の誤差)に推定することが可能となりました。(図2.3)。また、カメラから至近距離で足元が写らない人物についても当社独自のDNN技術を用いることで検知可能となりました。

  • 2.通信環境に依存しないシステム開発

    人物検知や距離推定をエッジコンピューティングで処理することで、トンネル坑内などの通信環境の整備が難しい空間においても、遅延のないリアルタイムな応答が可能になり、安全システムとしての信頼性を向上しました。

  • 3.システムとしてのアプリケーション開発

    本システムは建機に設置したカメラから検出人物(作業員)までの距離に応じて、警報エリアを任意に設定することが求められていました。そこで、「画像認識エッジソリューション」を用いて取得できるカメラと人物の距離に応じた警報エリアを3段階(危険エリア:0-5m以内、警戒エリア:5-10m以内、注意エリア:10m〜15m以内)に設定し、建機オペレーターに対し各段階(危険エリア:赤ランプ+ブザー音、警戒エリア:黄色ランプ、注意エリア:緑ランプ)に応じた警報を通知するアプリケーションの開発を行いました。この結果、建設現場での作業員の安全を支援することが可能になりました。

本システムの完成後、トンネル工事現場内で動作検証を実施し、その有効性を確認しました。今後、戸田建設では作業員の安全を守るべく、さまざまな工事現場に本システムを展開していく予定です。

日立ソリューションズ・テクノロジーはこのようなシステムを「画像認識エッジソリューション」のユースケースの一つである「接近監視ソリューション」として、建設現場や工場内の災害防止や安全性確保にお悩みの方の課題解決を支援します。

図1.遠赤外線カメラを用いた人物検知システム
図1.遠赤外線カメラを用いた人物検知システム

図2.薄暗い粉じん環境下での可視光カメラ(左)と遠赤外線カメラ(右)の検出結果比較
図2.薄暗い粉じん環境下での可視光カメラ(左)と遠赤外線カメラ(右)の検出結果比較

図3.距離20m位置での検出結果
図3.距離20m位置での検出結果

「画像認識エッジソリューション」について

「画像認識エッジソリューション」は当社独自のDNN技術により、カメラの画像からリアルタイムに人物や物を検知、距離を測定し、その結果をお客さまの用途に応じて警報発報や統計分析などに活用できるソリューションです。周辺環境の安全性を把握し、密集密接予防や現場の省人化といった新常態(ニューノーマル)に求められる環境構築の実現に貢献します。また、エッジコンピューティングに実装することができ、通信環境がない空間でも動作させることができます。

日立ソリューションズ・テクノロジーは、これからも、新常態(ニューノーマル)を支えるソリューションで安全対策と業務効率化を両立する環境の実現に貢献します。

今回の発表に関するコメント

戸田建設株式会社 価値創造推進室 技術開発センター 施工革新ユニット
サブマネージャー 八代 成美 様

2019年より開発を開始した「遠赤外線カメラを用いた人物検知システム」は、日立ソリューションズ・テクノロジーと一緒にフィージビリティスタディ、実験、評価を繰り返し行うことにより、高精度に人物検知でき、カメラから人物までの距離を高精度で検出することができるシステムとして完成することができました。当初計画になかった要求にも柔軟に対応いただき感謝しています。本システムは建設現場の安全性向上に貢献可能と考えています。新常態(ニューノーマル)対応として、各現場の作業員を省人化する中、安全確保はますます重要になってまいります。現場の意見を吸い上げ、本システムを他の部門へも展開していく予定です。

建設機械の接触災害を防ぎ、作業員の安全を守る!遠赤外線カメラとAIを用いた人物検知システムを開発
https://www.toda.co.jp/news/2020/20201001_002799.html

ソリューション紹介ページ

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