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リアルタイムOS「OpenTK®」、IoTエッジノード開発の期間短縮、コスト低減を実現

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2018年2月21日
株式会社日立超LSIシステムズ

リアルタイムOS「 OpenTK® 」、IoTエッジノード開発の期間短縮、コスト低減を実現
Arm Cortex-RおよびIAR社開発環境への対応により、システム開発力を強化

    株式会社日立超LSIシステムズ ( 本社:東京都立川市、取締役社長:河路 幹規、以下、日立超LSI ) はIoTの時代に向け、組込み機器用リアルタイムOS であるT-Kernel2.0を中核にミドルウェア(TCP/IPプロトコルスタック)やボード・サポート・パッケージを統合したT-Kernel2.0オープンソース・パッケージ「 OpenTK® 」を、Arm Cortex-A、Arm Cortex-Rおよび統合開発環境「 IAR Embedded Workbench® for Arm 」に対応して、2月21日から販売開始します。

    現在、組込みシステムのIoTへの対応が急務となっています。IoTエッジノードとして、既存組込み機器のネットワーク接続や、それに対応したさまざまな新技術の導入が必要不可欠です。一方で、従来マイコンのEOL ( End of Life ) 対応が求められています。このような課題に対し、日立超LSIは「 OpenTK® 」を中心として、IoTに向けた組込み機器の開発期間の短縮、最新マイコンへの置換え費用の低減などを実現するソリューションを提供します。


    「 OpenTK® 」は、トロンフォーラムが公開するオープンソースのリアルタイムOSであるT-Kernel2.0に対して、最新のArmプロセッサへの移植や各種の機能拡張を行いました。T-Kernel2.0は、高いリアルタイム性能、少ないメモリ使用量といった特徴を持ち、IoTエッジノードのOSとして適しています。リアルタイム処理を必要とする組込み機器に広く普及しているμITRON仕様OSとの互換性が高く、ソフトウェアの移植も容易であり、マイコンのEOL対応にも最適です。「 OpenTK® 」に同梱されるオープンソースのソフトウェアは、お客さまの製品への利用に対して、追加の費用が発生しないため、製品コストを低減することができます。


    今回、「 OpenTK® 」はこれまで対応していた高機能なアプリケーションプロセッサ向けのArm Cortex-Aに加えて、リアルタイム性能を重視した組込みプロセッサ向けのArm Cortex-Rにも対応しました。「 OpenTK® 」とArm Cortex-Rの組み合わせにより、高機能なIoTエッジノードの実現が可能になります。


    また、高機能化、複雑化するIoT時代の組込み機器のソフトウェア開発において、開発期間の短縮、信頼性の向上を図るには、ソフトウェアの開発環境が非常に重要です。そこで「 OpenTK® 」は、オープンソースの開発環境に加えて、組込み機器のソフトウェア開発環境において定評のあるIARシステムズ株式会社の統合開発環境「IAR Embedded Workbench® for Arm」に対応しました。今後、「 OpenTK® 」は、「 IAR Embedded Workbench® for Arm 」とのさらなる連携を強化していく予定です。


    さらに日立超LSIは、T-Kernelの開発主体であるトロンフォーラムにおいて培った技術、ノウハウをもとに、「 OpenTK® 」の各種ハードウェアへの移植、最適化、機能拡張などのプロフェッショナル・サービスや、リアルタイムOSの使いこなし、組込みソフトウェア開発者の育成に向けたサポートを提供していきます。


「 OpenTK® 」のラインナップ

「OpenTK®」のラインナップ
項   目 「OpenTK®」for Arm Cortex-A 「OpenTK®」for Arm Cortex-R
対応プロセッサ Arm v7-A アーキテクチャ
( Cortex-A7,A8,A9,A15 )
Arm v7-R アーキテクチャ
( Cortex-R4 )
開発環境 「 IAR Embedded Workbench® for Arm 」
 GCC  (*1)
「 IAR Embedded Workbench® for Arm 」
主な拡張機能 (*2) メモリ保護 ( 特権/ユーザ )
割込み管理機能の強化 ( 多重割込み対応、割込み専用スタック、OS 管理外割込み )
システムタイマのティックレス化  (*3)
メモリ保護 ( 特権/ユーザ )
割込み管理機能の強化 ( 多重割込み対応、割込み専用スタック、OS 管理外割込み )
*1)
 GCC  :  
GNU Compiler Collection
*2)
 機能拡張  :  
トロンフォーラムがオープンソースとして公開しているT-Kernel2.0 リファレンスコードに対して「 OpenTK® 」で拡張している機能。
*3)
 ティックレス化  :  
次に起動されるタイムイベント ( 時間待ちをしている周期ハンドラ / アラームハンドラ / タスク ) に合わせてシステムタイマの起動時間を動的に変更する機能。

今回の発表に関するコメント

IARシステムズ株式会社  取締役会長 上村清史

    グローバル市場に幅広く受け入れられている「 IAR Embedded Workbench® for Arm 」が、日本市場で注目度の高まる「 OpenTK® 」のリファレンス統合開発環境として採用されたことを、嬉しく思います。IoT向けリアルタイムOSとしてオープンソース提供される「 OpenTK® 」に、高性能かつ高信頼性を誇る弊社の開発環境が加わることにより、短期間でセキュアなIoT機器開発が可能になることでしょう。また、今回の連携によってもたらされる製品およびサービスが、組込み開発におけるプラットフォームとなることによって、お客さまの、開発効率アップおよびグローバル展開のための強力なサポート役になると確信しています。


商標注記

ArmおよびCortexは、ARM Limitedの商標または登録商標です。
TRON, T-Kernelは、コンピュータの仕様に関する名称であり、特定の製品を指すものではありません。
IAR Embedded Workbench®は、IAR Systems ABの登録商標です。
OpenTK®は、株式会社日立超LSIシステムズの登録商標です。
その他商品名等は各社の商標や登録商標です。

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