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日立超LSIとリネオ、組込み向けに高速起動マルチOSソリューションを提供

マルチコア・プロセッサ上でT-Kernel + Linuxの高速起動を実現

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

2012年5月7日
株式会社日立超LSIシステムズ
リネオソリューションズ株式会社

日立超LSIとリネオ、組込み向けに高速起動マルチOSソリューションを提供
マルチコア・プロセッサ上でT-Kernel + Linuxの高速起動を実現

  株式会社日立超LSIシステムズ(本社:東京都国分寺市、取締役社長:馬場志朗、以下日立超LSI)とリネオソリューションズ株式会社(本社:長野県塩尻市、代表取締役:小林明、以下リネオ)は、日立超LSIのマルチOSソリューション「リアルタイム・オーガナイザ」と、リネオの組込みLinux高速起動ソリューション「Warp!!」の技術を組み合わせ、「組込み向け高速起動マルチOSソリューション」として6月1日より共同で提供を開始します。

  組込みシステムに対する性能向上ニーズに対し、従来の組込み向けシングルコア・プロセッサでは、動作周波数の物理的限界や大消費電力による発熱の問題から、対応が困難になりつつあります。そこで注目されているのが、マルチコア・プロセッサです。複数のコアを持つことにより、周波数を限界まで上げることなくシステムの高性能化を図りながら、発熱の問題も解決することができます。
  このマルチコア・プロセッサを使いこなすため、日立超LSIとリネオはマルチOSに着目しました。

  日立超LSIは、マルチコア・プロセッサのそれぞれのコア上で、リアルタイムOSであるT-Kernelと、汎用OSである Linuxとを独立に実行し、異なるOS間の通信・排他制御・デバイス共有を実現するマルチOSソリューション「リアルタイム・ オーガナイザ」を提供しています。これにより、ユーザーは、リアルタイムOSの持つリアルタイム性能・安定性と、汎用OSの持つネットワークやユーザーインターフェースなどの高度な機能を、ひとつの組込みシステムで同時に利用することができます。
  「リアルタイム・ オーガナイザ」を組み込んだシステムでは、T-Kernelが数百ミリ秒程度で起動するためシステムも高速に起動できますが、バックグラウンドで起動するLinuxは、一般的に起動に十数秒以上を要します。システム起動後、より早くLinuxの機能を利用したいシステムでは、Linux起動時間の短縮が求められます。このニーズに応えるのがリネオの提供する「Warp!!」であり、Linuxの起動時間を数秒(注)に短縮します。

  「リアルタイム・オーガナイザ」と「Warp!!」の連携により実現した「組込み向け高速起動マルチOSソリューション」は、車載情報機器、産業向け制御機器、モバイル端末等、さまざまな分野で実用性の高いマルチコア・プロセッサ組込みシステムの構築を可能にします。

リアルタイム・オーガナイザによるマルチOSシステム構成図
リアルタイム・オーガナイザによるマルチOSシステム構成図

  「組込み向け高速起動マルチOSソリューション」は、「Warp!!」のLinuxへの組み込みをリネオが行ない、日立超LSIが「Warp!!」を組み込んだLinuxを「リアルタイム・オーガナイザ」に組み込む形態で提供します。なお、本ソリューションは、各種組込み向けマルチコア・プロセッサに対応します。

(注) Linux起動測定値:通常起動14.77秒の場合、Warp!!による起動1.07秒
      詳細は下記を参照ください。

今回の発表に関する各社コメント

株式会社日立超LSIシステムズ  組込システム事業本部長  浦川澄夫

  「リアルタイム・オーガナイザ」は、各コアで異なるOSを独立に実行することによりオーバヘッド時間を最小化し、それぞれのOSからのハードウェア制御も容易にした組込みシステム向けのマルチOS技術です。これに、リネオ様の「Warp!!」によるLinuxの高速起動を組み合わせた本ソリューションは、特に車載情報機器など、OSにリアルタイム性能と高い機能を求める分野でご活用いただけるものと思います。

リネオソリューションズ株式会社  代表取締役  小林明

  組込みLinux超高速起動ソリューション「Warp!!」は、2009年よりマルチコア対応しております。このたび日立超LSI様の「リアルタイム・オーガナイザ」と組み合わせることで、LinuxシステムだけでなくT-Kernelとの連携が可能になりました。日本が産んだ素晴らしいオープンソースのシステムと、ワールドワイドで使われているLinuxシステムによるマルチOS対応の組込み機器が、今後さらに拡大することを期待しています。
〔デモのご案内〕   5月9日より東京ビッグサイトで開催される組込みシステム開発技術展(ESEC)のリネオ・ブース(西4-40)で、ルネサス エレクトロニクス株式会社の携帯機器向け高性能アプリケーションプロセッサ「R-Mobile A1」で動作する「組込み向け高速起動マルチOSソリューション」のデモ展示を行います。

商標注記

T-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。Linuxは、Linus Torvalds氏の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。